2025.4.11
vol.18 ちりぬるを
桜が咲いたと思ったら、もう見頃も終わりを迎えようとしている。
先日の朝、近くの路地は夜の雨で散らされた桜の花びらで彩られていた。
これだけの数の花びらも、気がついたらいつの間にか全部どこかへ消えているんだよなぁ、と思うのも毎年のことである。桜の季節はいつだって一瞬だ。
ご近所さんの家の庭にそれはもう立派な2本の枝垂れ桜があり、毎年開花を楽しみにしている。そのうち1本は店の路地から見えるところにも枝を伸ばしており、店の前まで桜の花びらを散らせ彩ってくれる。この2本の桜は周辺のソメイヨシノより開花も散る時期も少しだけ遅いため、これらが散り終わる時が自分にとっての桜の季節の終わりと感じている。
浅き夢を見ながらの桜の夜の散策も、そろそろできなくなるのかと思うと寂しい限りである。