2024.12.13
vol.1 コラムの始まりに
突然だが、コラム的な雑文を書いてこのウェブサイトへ載せることにした。
何をまたいきなり…とは自分でも思うし、最近までインスタ投稿すら3ヶ月放置していたお前にそんなことができるのか、という疑問も大いに生じている。
そもそもお前にそこまで書きたいことなどあるのかい?とも。
加えて恐ろしいことに週イチという頻度で更新しようとしている自分がいる。何かしら締め切りがないと動き出さないからというのがその理由だが、
まぁやってみて無理そうなら更新頻度はどうとでもしようと思い、とりあえずはそういう設定としてみることにした。
今回このタイミングで始めたことに明確な理由があるわけではない。なんとなく、というのが正直なところだ。
自分の思想や私生活を発信することに興味がない人間である自覚はあるし、どちらかというとただ制作に没頭していたい昔堅気な職人気質であるとすら思う。(あまり自分で言うことではないのかもしれないが)
これまでも積極的な発信こそせずとも日々制作のために手は動かし続けてきたし、「美しいものを作りたい。それが実現できる技術と知識を身に付けたい」という自分の人生における最優先事項が揺らぐことはこの先もないだろう。
発信しないという状況を不安に思うことはないし、むしろ情報に溢れ返ったこの時代、「どれだけ発信しないか」に価値があるのかもなと感じている自分もいる。
しかしその反面、自分が携わっている京うちわという伝統工芸、ひいては400年続いてきたその文化について「言葉で伝える」ことを放棄していないか、という自問も常にあるもまた事実だ。
携わる人がほとんどいないと言ってもいいこの世界に入り13年、全工程を一人でやろうと決めて自分の店を構え6年になる。
技術的にまだまだだと感じてはいるが、以前と比べるとようやく(ほんの)少しは様になってきたかもとも思う今現在、自分にしか伝えることができないことや気付きも多くあるだろうとも感じている。
これまでは自分の技術を磨いていくことへ意識を向けるのが精一杯だったが、そろそろ今までとは違うフェーズに移っても良いのかもという心境になっている。
文章を書くのは嫌いではないし、自分の思考を整理・再認識するには良いアクションだとも思う。
ただ必要以上に考えすぎたり推敲してしまいがちなので、こうして言葉にすることは面倒くさがりな自分には必要以上に時間とエネルギーを消費してしまうことでもある。ぶっちゃけ疲れる。本当に。
しかし放っておいたらどんどん自分の内側の世界へ向かっていくのは目に見えているので、これもひとつのトレーニングだと思いとりあえずは動き出してみることにした。
世の中と自分をかろうじて繋ぎ止める意味合いも込めて。
そして半分くらいは「あなたこのときこんなことを思ってましたよ」といった未来の自分のために。
インスタやnoteなど他のサービス上ではなく自分のウェブサイトでやろうと思ったのは、より備忘録的なものとしてアーカイブできるようにしたかったから、という部分が大きい。インスタだとどこに何書いたか覚えてないよなー多分、とも思うし。
ということでこのウェブサイトも蜂屋がHTMLとCSSをポチポチ手打ちしてゼロから自分で構築している。知識なしのド素人から始めてコツコツ作っていくのはそれなりに大変ではあるけれど、ずっと大枠だけ作って放置していたこのウェブサイトもこの機会に改めて手を加えていきたいし、
店と同様にこういったインディペンデント精神は大事にしていきたいと思っている。
ちなみにイメージしているのは自分が育ってきた90年〜ゼロ年代のネット黎明期によく見られた個人HP(ホームページ…!)のシンプルさ。今思うとめっちゃ良かったよなぁなどとやや懐古主義的なことも思ってしまう。
尚、よくわからない人は例の有名なこのホームページとか参考にされたし。
流石にここまでは極端だけど、こんな感じの個人HPと雑誌・ZINEの中間のような雰囲気のスロウなウェブサイトを目指そうかと。
上のようにリンクが貼れたり、デザインやレイアウトを好きにできたりと自由度が大きいところも自分の性分に合っているので、コラム以外のコンテンツも含めてマイペースに手を加えていけたらと思っている。
今回は最初ということでこうして考えていたことを長々と綴ったが、毎回この熱量で書く気はないし、書きたくもない。
数行だけ、ちょっとした写真だけで済ませることあるだろうし、中身のない駄文をだらだら綴ることも多いと思う。(そっちの方が書く分には楽しそうだけど)
ちょっと見てやってもいいかと思った物好きな方、これも縁だと思ってしばしお付き合いいただけたらと思う。
余談だがコラムのタイトルは自分が20年近く聴き続けてきたインスト曲から。
偶然の重なりで遥か過去から自分へと繋がってきた技術や先人の知恵、それらを自分がこの先へ繋げていけるのか、これまで出会ってきた人やこの先に出会うであろう人のことなど、自分にとって多くの意味を持つ言葉をこの機会に拝借した。